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2011年4月17日 (日)

イグニッションコイル交換~正常なのに異常? 突然の4気筒&排気温警告灯点灯

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タイトルのとおり、突然イグニッションコイルが死にました。

ご近所から自宅へ帰る途中だったので事なきを得たのは幸い・・・けど、不思議な壊れ方

このV8エンジンの点火システムは、最近のクルマのダイレクトイグニッションとは異なって、ひと昔前のイグナイター&コイル&デスビという方式です。

それぞれ、右バンク側、左バンク側に装着され、4気筒(LH2気筒×RH2気筒)×2の8気筒分。

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今回壊れたのはLH側(ドライバー側)のコイル。当然、受け持つプラグは発火せず(失火)、エンジンはかかるもののパワーはガタ落ちで、副産物として、失火で燃焼しなかったガソリンが触媒かマフラー内で燃えるアフターファイヤーによって排気温度が異常高温となり、メーター内の排気温警告灯が点きました。

体感的には、フロアからは足の裏に感じられるほど熱が伝わり、不完全燃焼ですから車外は生ガス臭いことこの上なし。ついでに、エンジンを切ると触媒からボリュームの高いペキン・パキン音がしばらく鳴っていました。

ちょっと話はソレて・・・

Kurank

8気筒中4気筒が死んでいてもなぜエンストせず走れたかを考えてみます。走行フィーリングから偽4気筒状態だったことは容易に想像つきますが・・・

このセルシオのV8エンジンは各バンク側で2×2=4気筒分に分配した点火系配置ですので片バンクがまるまるエンジンの息の音を途絶えることはありません。

V8エンジンはクランク2回転で8回燃焼しますから、4気筒で回っているなら2回転で4回燃焼。

このV8の点火順序は 1-8-4-3-6-5-7-2

今回は 1-●-4-●-6-●-7-● 

V8は基本的に1気筒あたり90度の間隔での点火なのですが、このV8はクロスプレーン(ダブルプレーン)ですから270度、180度、90度の不等間隔爆発になっています。大半の乗用車用V8はクロスプレーンです。

今回のように、コイルなどが原因の集団失火で4気筒が死んでしまった場合、残りの4気筒でエンジンはかかるし「回り」ます。

で、半分殺がれたV8、もといV4、といったカタチに、簡単に言って、なるわけです。

それはさておき、なぜ警告灯点灯、燃焼不良、失火などの原因がイグニッションコイルの不良であると行き着いたか・・・そこまでの細かい道のりや紆余曲折などの細かいことは省きます。

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↑点火系の回路図

左右バンク、各パーツ郡が2つずつあるとはいえ、一般的なイグナイター・コイル・デスビの点火系です。

プラグはL側が受けもつ4本とも燃焼不良によって(実際に空中配線で試したが火が飛んでいない)、ガソリンでベタベタに濡れていました。

そこで、プラグから源流を遡上するサケのように点火系を順番に、サーキットテスター片手に修理書をもう一方の手にして探索していきました。

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↑コイル配置図

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↑上から、電圧チェック、1次コイル抵抗チェック、2次コイル抵抗チェック。

プラグコードOK! デスビキャップ&ローターに破損などなし! コイルの電圧と1次、2次の抵抗いずれも基準値内なのでOK!(基準値は電圧10~14V、1次コイル抵抗0.40~0.50Ω・気温20度、2次コイル抵抗10~14KΩ・気温20度 です)

 

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↑イグナイター配線のLH、RH側入れ替え中。黄色いテープのコネクターが手前にきているのが正常配置です。

イグナイターも供給電圧OK! 左右で配線を入れ替えてみてもL側の失火は変わらずなのでイグナイター2個とも本体はOK! そこから先、コンピュータとの交信は、もし異常があればメーターのKマークが点灯しダイアグに異常コードが残るはずですが、点灯もエラーも残っていないので、とりあえずOK! と判断。

ん? どれも正常・・・? ホント?

考えられるのは、ひとつはコイル→デスビ間のコードの中間リーク。

そこで、ちょっと暗くしてクランキングしてみますが、青い火花は見えない。さらに古いプラグコードを取り出してコイル→デスビ間のみ替わりにつないでみますが、やはりプラグの火は飛ばない。

ここで、まさか!? と思い着いて、コードのデスビ側を少し抜いて、ギリギリ端子が触れるか触れないかといった状態にしてクランキングしてみますが、火花が飛びません。そこは元通りにして、今度はコイル側で同じことをしてみます。やはり、火花は飛びません。

ちょっとハナシは逸れますが、普段点火系のチェックをする場合、私はプラグを抜かずにプラグコードのプラグキャップを少し引き抜いてキャップとプラグのターミナル間で火花が飛ぶか、そして手に伝わるパルスが一定の周期かとか、強いか弱いかとか、そんな状態でエンジンのラフ度はどう変化するか、などを見ています(超アナクロなんですが、この方法はその昔にキャブ調の名人と呼ばれる方から教えていただきました。本来は、点火系のチェックと共に意図的に点火の強弱をして、アイドルの燃調を微調整することが目的です)。プロならばオシロスコープでパルスを調べるのでしょうが、生憎オシロを持っていないアマチュアなりの、「人間パルス感知法」です。

というわけで、今回は「コイルのパルスなし」、つまりコイルが高圧電流を発していない故障・・・と判断(8割くらいの自信で)。

コイルの抵抗値は正常なのにどうして?

そこで、知り合いのクルマ屋さんに裏取りをしてみたところ「ああ、ごくたまにあるよ」と、別に驚きもしない様子で返答。とくに、巻き線が細めで抵抗が低い1次側ではショックとか年数とかの何かの拍子で迷走電流が起きて、抵抗値が規定内にあっても2次側に高圧が出なくなることがある、とのこと。

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↑リプレイスのためにコイルを1セット、中古で購入することにしました。もっと安かったのが20系前期用。10系と形状がほとんど同じですので、リプレイスには困りません。新品が本筋なのでしょうが、もしコイル以外が原因だった場合、新品への出費(ASSYパーツ価格:8700円)はリスクが高すぎますので。

 

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↑左が20系用、右が10系用。ブコイル単体の品番は90919-22246で同じ。ブラケット穴位置や端子位置などは同じです。どっちも樹脂でシーリングされ外周にコア露出する閉磁路タイプです。サイズ的にも長さ、幅とも同じですが厚みは20系用のほうが3ミリほど厚め。ケースが厚くなっている分、こっそりと線の量が増えているのか?(わかりませんが)

 

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↑古い10系用コイルの2次側抵抗を測ってみました。基準値内ですが・・・死んでいる。

 

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↑古い10系用コイルの1次側抵抗を測ってみました。基準値より高めですが気温との関係から、まほぼ正常値並でしょう・・・でも死んでいる。

 

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↑中古で導入した20系用コイルの2次側抵抗を測ってみました。基準値内です。

 

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↑中古で導入した20系用の1次側抵抗も測ってみました。これも基準値より高めですが気温との関係から、まほぼ正常値並でしょう。

で、コイルをリプレイスして、配線を元に戻してクランキングしてみると・・・何事もなかったようにエンジンはスタートし安定したファストアイドルを続けています。

リプレイス成功!!(内心、コンピュータのエラーが原因だったらどうしようか?と ヒヤヒヤしていましけど)

さて、コイル交換のついでにコネクターも新品にリフレッシュしました。

1G系エンジンのオーナー間ではよく知られたダイレクトイグニッションコイルのコネクターが、セルシオのV8のコイルでも同じものが使われています。

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↑ロックピンが経年変化と熱でいとも簡単に折れてしまいました。でコネクターを抜くと、中までボロボロ。

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↑品番 91980-11246 で単品で供給されています。小さく「11246」のナンバー刻印があります。白いパーツは端子ロック用、最初から飛び出ていてノーマルです。最後に中に押し込んでロックします。


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↑交換の手順は、まずラジオペンチなどで、端子を傷めないように注意しながらプラスチック部分を砕いていきます。すでにボロボロですから砕くのは容易です。このくらい砕くと、コードがお尻から抜けるようになります。

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↑端子のみのして。ケーブルは黒がプラス、コネクターのクリップ側がプラスになります。

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↑端子の2本のツノが刻印のある面に向く位置になるようにして、新しいコネクターのお尻から差し込んでいきます。

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↑いちばん奥まで差し込むと、カチっとツノが勘合する音がするので、そこでセッティング完了。

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↑最後に、白いツメをツライチになるまで押し込んで端子を固定すれば完成です。

 

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↑コイルの特性を揃えておきたいので、左バンクのコイルもリプレイスしました。赤い矢印の固定ボルト(14mm)が、周囲のスペースが狭くてやっかい。アクセスには、バッテリーの底ケースも外すことになりました。また、アングルの小さいメガネか板ラチェットでないと他のパーツが邪魔して回せません。

左バンクは、10系と20系でブラケット形状が異なりますので、いちどコイル単体にバラして入れ替えが必要になります。

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【お会計】
・イグニッションコイルASSY 90919-22246 ×2個 約3500円(2011/4  中古)

・コネクターハウジング 91980-11246 200円(2011/4  購入時) ×2


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コメント

はじめまして!
いまだに3年UCF10乗ってますが、まったく同じ症状が発生しましてイグニッションコイル交換で解決しました。整備工場2軒とトヨタのディーラーでもダメで2ヶ月間掛かりやっと退院!くるまんだら様ありがとうございます。感謝いたします。

解決のお役に立ってなによりです。無事これ名馬、と長く乗り続けられるようにお祈りしております。正直なところ、トラブルに見舞われて、けっこう早い時点でコイルを疑っていました。が、とりあえずセオリーに従って各パーツチェックを進めていったのが今回の結果です。

コメントまで頂いてありがとうございます。4年前に10万kmのAタイプを購入し、初めてのトラブルでした。
くるまんだら様の事例を参考に少しずつメンテを実行し初代セルシオを永く乗り続けていきたいと思います。

はじめまして。
たまたまネット検索していた中で、本件を見つけました。
つい2週間程前に、私の愛車日産リバティーで市道を走行中、突然エンジンの馬力が弱まり、振動が大きくなりました。
家について、直ぐにディーラーに連絡したところ、「恐らく、一部エンジンが点火されていない症状ですね。今すぐ、エンジンが完全にストップすることはないでしょうから、店まで車を持ってきて下さい。点検します。」、と言われました。家から店までは、車で10分程でしたが、びくびくしながら運転し、店へ到着。
到着すると、整備士の方がPC接続し故障箇所をチェック。結果、4気筒の内、1気筒でイグニッションコイル異常、と判断されました。
その日は、そのコイルの手配(今回故障分と他1気筒分の計2箇所分)をし、車を預けて、代車で帰宅。
翌日、部品交換して頂き、無事修理完了しました。
この3月に車検を受けたばかりで(11年目ですが)、まだ3ヶ月程度しか経っていないことを理由に、料金を値切ってもらったものの、部品代と作業台込みで、2気筒分2万円程かかりました。
車の経年劣化ということと、車の心臓部ということもあり、今回の突然の出費は仕方ないですね。
でも、ディーラーの判断は的確だったですね。そこは、「さすがに日産直系のディーラー」、という感じでしょうか。
まあ、車も10年超えると、ガタがきますね。次回車検までに、新車購入を検討します。
長々とすみません。

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